センセイと私の不可思議恋愛
キューピット
試合開始まであと10分。
初めての練習試合に、先輩も緊張していて、空気が重い。
ここは、ひとつ私が盛り上げやな!
「何、緊張しとんねん。あほか~!!」
と物まねを披露。
「ははははは!!それ、緑川のまねやろ!!」
「めっちゃ似てる!萌、すげーな」
「じゃあ、黒岩コーチは?」
「緊張してんの?自分を信じて、頑張ればええねん」
瑠美と姫華ちゃんには好評やった、黒岩の物まね。
最近は、してなかったけど。
「はっはっは!あんた最高やな。そんな持ちネタあったんや」
「萌美のおかげで緊張吹っ飛んだわ!」
「次は青山先生の練習しといてや」
先輩にリクエストされて、ついやりそうになってしまった青山の物まね。
できるわけないよな。
だって
“姫華ぁ~、俺の姫華ぁ~”って物まねやもん。
ふふ。
黒岩のおかげで、
私はまた強くなった気がする。
両想いじゃなくてもいい。
私は堂々と、黒岩に恋をする!!!
もう迷わへん。
私が選んだ人は黒岩なんやもん。