センセイと私の不可思議恋愛
世の中そんなに甘くない。
できたてホヤホヤのうちのチームが、ベテランチームと対等に戦おうなんて。
甘かった。
前半を終了して、6対0というサッカーとは思えん点数。
「こんなもんや。最初の試合やし、落ち込むことない」
緑川はみんなの背中をポンと叩いて、笑顔で言った。
「お前らは、自分のサッカーがちゃんとできてるから後半もこのまま頑張れ。悔しかったら、1点でもええから取れ!」
厳しい口調で黒岩はそう言った。
1点でもいいから、取りたい。
みんなで輪になって、掛け声をかける。
そして後半がスタート。
気負いすぎたんやろか。
後半1分も経たんのに、私は倒れてしまった。
相手チームのエースのボールを奪おうとして、足首を蹴られてしまった。
「痛っ」
あまりの痛みでその場にうずくまる。
かけよる仲間。
・・・・・・情けない。
私は、退場。
「ほら、つかまれ」
黒岩が私の腕を引っ張ってくれたけど、自力では立てず・・・・・・
「しゃーないな」
こんな時に不謹慎やけど、
黒岩に抱っこしてもらえて、幸せ。