センセイと私の不可思議恋愛






「よう頑張ったな。ちゃんと見とったぞ、俺は」




運転しながら穏やかな声で黒岩は言った。





「でも、みんなに迷惑かけてしまったもん」




「そんなことない。お前が必死で点をやらんとこうと頑張ってる姿はみんなちゃんと見てる。もう点取られたくなかったんやろ?だから、体張ったんやろ」





何でもお見通し。




ディフェンスとして、恥ずかしかった。



楽々とシュート決められて、余裕な顔されて・・・・・・






「ド素人やったお前らにしては、上出来や。いいチームになってるよ」




「ほんまに?」




「ああ、ほんまに。後半きっと点数入れてくれるから安心しい」





涙が溢れた。



何の涙かわからへん。



でも、悔し涙だけじゃない、涙の味がした。








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