センセイと私の不可思議恋愛




青山ファンと思われる女子が、掲示板の前でキャーキャー騒いでる。


女子サッカー部に入部しよう、だとか


女子サッカー部には姫華ちゃんがおるから危ない、だとか


好き勝手なことを言って、盛り上がってる。






「姫華ちゃんって有名人なんやな」



「ほんまやな」





学年で姫華ちゃんを知らん人はおらんと思う。


美人でかわいくて、頭も良くて・・・・・・


その上、サッカー部のエース!





「うちらの親友やもんな」


と瑠美と私は鼻高々で、掲示板の横を通り過ぎた。







教室につくと、予想外の出来事が私達を待っていた。





「小阪さん!大越さん!!私達、女子サッカー部に入部したいんです」




こうなるわけか。


顔も知らない女子が私と瑠美を囲んで、興奮気味にそう言った。




「もう部員は募集してないんです」




「高校の部活で、そんなんありですか?入部したい人は誰でも入れるのが高校でしょ?」



と、もっともなことを言われ、返す言葉がなかった。





確かに。


入りたいという人を入らせないなんて、私達にそんなことはできひん。





「放課後、緑川先生のところへ行ってもらえる?」



瑠美が、穏やかにそう言うと、


その女子達は



「青山先生じゃないんですか?」と声を荒げた。




完全に青山目当て。


ってことは姫華ちゃんのライバル。





「入部希望の人は緑川先生のところへお願いします」



と強い口調で瑠美は言って、私の手を引っ張って教室を出た。





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