センセイと私の不可思議恋愛
6時間目
緑川先生と私 【瑠美目線】
【瑠美目線】
「失礼します」
職員室に足を踏み入れると、緑川先生が待っていた。
「おう。悪いな」
黒いジャージ姿の緑川は、奥のソファを指差した。
「あっち、行こうか」
私はドキドキきゅんきゅんしている胸を必死で抑えようとした。
だって。
姫華ちゃんがあんな辛い時に、こんなに嬉しい気持ちになってたらあかん気がする。
「帰り、送るから」
ぶっきらぼうにそう言った緑川に、ドキドキせずにはおられへん。
「良いんですか?」
「俺が相談したいことあるから」
ソファに座って、向かい合って。
しばらく黙ったまま、見つめ合ってしまった。
「あのな、入部希望者のことやけど、お前はどう思う?」
「う~ん。多すぎて、ちょっとびっくりしてます。このまま減らなかったらどうしようって感じで・・・・・・」
「せやな~。俺も予想はしてたけど、それ以上で・・・・・・青山先生がえらい責任感じてて、落ち込んではったわ」
姫華ちゃんのことを思い出す。
青山先生が落ち込んでるとしたら、やっぱり姫華ちゃんが元気付けてあげやなあかんと思うねん。
青山先生を笑顔にできるのは姫華ちゃんやって・・・・・・私は思ってる。
あんな噂は嘘やと思う。
「噂で聞いたんですけど・・・・・・」
私は、さっき聞いた先輩からの青山の噂のことを話してみた。