センセイと私の不可思議恋愛




部活が終わり、英語準備室へ向かう。



ゆっくりと廊下を歩きながら、姫華ちゃんは呟く。




「真実なんて知りたくない」



その言い方が、ドラマのヒロインみたいで、めっちゃドキドキした。



私にはあんなセリフ言われへんわ。


やっぱり、かわいいって得や~!!



ってそんなことはどうでも良くて。




夕陽差し込む廊下を3人並んで歩く。




「青春やな」



私は、青春って何かようわかってなかったけど、今感じた。


この甘酸っぱいような、キュンとする、切ない感じが“青春”なんちゃうかなって。




大人になったら感じることができひんとしたら、ほんまに今を大事にせなあかん。



この気持ち、大事にしよう。





「青春って甘酸っぱいな」



「青春ってちょっと苦い」



「青春って眩しいな」




とわけのわからんことを瑠美と私は言い合って。





「青山先生のことが好きやけど、苦しいよ」



またまたドラマのヒロインばりのかっこええセリフを言った姫華ちゃん。



私は、やっぱり姫華ちゃんは普通の女の子じゃないなと感じた。




独り占めしたいって思うけど、きっとそれじゃもったいない。



芸能界デビューとかそんなんもありえるくらいに、目立ってるし、美人やし、かわいいし、性格も最高やし・・・・・・




だから、多分・・・・・・心配やねん。


私も瑠美も・・・・・・




で、この人も。







「お?姫華~!!来たか」



出迎えた青山は、何も知らずにいつもの調子やった。



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