センセイと私の不可思議恋愛



「愛しのミドリムシが近付いてきました!」



昼休みの廊下。


萌美の声に、心臓がドキドキと音を立てた。





「お前ら、廊下に座るなっちゅうねん!汚いぞ」



通り過ぎる時に、緑川先生はそう言って、持っていた日誌で私の頭を叩いてくれた。





「やっぱり瑠美だけ特別扱い~!ラブラブ~」


とからかう萌美に、私は、やめてよ~と言ったけど、内心嬉しくて。



その通りやねんもん。



私と緑川先生は、ラブラブ・・・・・・やねん。






そこに“愛”とか“恋”とかそういう甘いもんは、ないねんけど。



確かにラブラブではある。




週に2回は、部活の後にふたりきりで話をしている。


部長やから、不自然じゃないねんけど、話す内容は部活と全然関係なかったりする。




“お前と話すと、ストレス発散できるわ”とか言ってくれたし。





めっちゃ期待してしまうけど、恋愛対象として見てくれていない、と自分に言い聞かせてる。



とは言え・・・・・・


期待しちゃうのが女心。




クリスマス一緒に過ごしたいな~なんて思っていたりする。





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