センセイと私の不可思議恋愛



3人で部活を休むなんて初めてやった。





冬空の下、3人で肩を寄せ合った。


学校近くの河川敷。





黙って、川を見つめる。



時々、空を見上げる。





遠くから、高校の野球部のカキーンという音が聞こえてくる。






現実か夢かわからなくなるような感覚。








瑠美の恋が終わった。




瑠美は納得してると言った。



多分、納得しようと頑張ってるんやと思う。





自分のことを好きやと言ってくれたことが嬉しかったと泣いた。


だけど、選んだのはお見合い相手。




納得できひんよ。







川の向こうに幼稚園くらいの男の子と女の子がおった。


手をつないで、走ってる。





あの子達から見ると、今の私達も素直じゃないのかな。


周りの目を気にして、好きやのに好きじゃないフリをしたり、意地を張ったり・・・・・・





子供の頃よりも、大人になった方ができることは増える。


何でも上手になる。




だけど、恋だけは・・・・・・



大人になればなるほど、へたくそになっていく。







「はぁ・・・・・・」




ため息をつく。





「幸せが逃げるから、吸い吸い!!」



瑠美に背中を叩かれて、慌てて吸い込む。






「ははははは」



3人で笑った。



そんなにおかしいわけじゃないのに、何分も大笑いした。






どうすれば、この気持ちが整理できるんかわからんかった。



ただ笑っていたかった。





カラ元気でもええから、瑠美に笑って欲しかった。








いつかわかる日が来るんかな。



緑川の気持ちが。






わかりたくもないけどさ。




だけど、キライじゃないから。





瑠美が大好きな緑川のこと、キライにはなられへん。







「たまにサボるのもええな」



姫華ちゃんはそう言って、芝生にゴロンと寝転んだ。


私も瑠美も同じように寝転んだ。





何もできん。


ただ一緒におることしかできん。





ごめんな。

瑠美。




何もできんくて。





助けてあげれんくてごめんな。





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