センセイと私の不可思議恋愛
数日後、黒岩と会う約束をした。
瑠美と姫華ちゃんの分まで私は頑張ろう。
一番可能性が高い私が、この恋を絶対に守り抜かないとあかん。
今日は、クリスマスイヴやった。
クリスマスやと知って、この日に会おうと言ってくれたのかどうかはわからん。
待ち合わせ場所は、中学の職員室やったから。
ちょっとだけ久しぶりの校舎にドキドキしつつ、職員室のドアを開けた。
「久しぶりやんけ~」
「おう、小阪!」
懐かしい先生達が声をかけてくれた。
大嫌いやった先生も卒業してみると、結構ええ先生やったなと思える。
「空き教室で話そうか」
黒岩は、理科室の隣の空き教室へ私を連れて行った。
制服姿の生徒が数人すれ違って、私のことをジロジロと見てた。
黒岩のこと好きな生徒だっておるんやろうなぁ。
明らかに怪しいよな、私。
「何、オドオドしてんねん。卒業生やねんから堂々としててええねん」
黒岩はそう言って、教室の中へ私を押しこむようにして入れた。
「で……あんな電話してきた理由は何や?」
腕組みをした黒岩は、授業中によくやっていたように黒板にもたれかかるようにして私を見た。
私は、泣きながら黒岩に電話してしまった。
大人になりたくない、とか。
恋なんて苦しいだけやん、とか。
ただ会いたいと言いたくて電話したのに、黒岩の声を聞くと我慢できんくなった。