センセイと私の不可思議恋愛
「好きやのに、瑠美のこと・・・・・・」
「せやな。俺も緑川先生から少しだけ聞いた。今でも迷ってるように見えたけど、大越を選ぶことはできひんと思う。大越を選ぶってことは、少なくとも高校を卒業するまで待つってことやん。緑川先生の年齢を考えると、やっぱりあと2年待つってのは厳しいんちゃう?ご両親も孫が見たいと言ってる」
頭では理解しているつもり。
でも、心が・・・・・・納得できひん。
緑川先生のご両親は、自分の息子が好きでもない人と結婚してもいいんか?
緑川先生は、親の為って思ってるけど、実際にお父さんとお母さんはそんな想いを知ったら喜ぶと思う?
私が口出すことじゃない。
それもわかってる。
だけど・・・・・・
「萌ちゃんの気持ちはわかる。うん・・・・・・」
黒岩は穏やかな表情でそう言って、私に一歩近づいた。
「俺だって、正直言えば・・・・・・萌ちゃんを好きになった時にめちゃめちゃ悩んだ。この気持ちを押し殺して、別の人を好きになるべきやとも思った」
「うん・・・・・・」
「だけど、俺は萌ちゃんを選んだ。それは、俺がわがままやったからかもしれん。自分のことしか考えてないから。緑川先生は、自分のことよりも周りの人のことを考えて答えを出したんちゃうか?一番は、大越の為やと俺は思う。大越の気持ちは大越しかわからんけど、緑川先生はあと2年大越を待たせるのも辛かったんちゃうか?」
瑠美の為・・・・・・?
そんなん・・・・・・勝手に決めんといてよ。
瑠美は、2年待つことなんて全然しんどいと思わんよ。
むしろ、幸せやと思うよ。