センセイと私の不可思議恋愛
「緑川先生の苦しい気持ちもわかってあげて」
黒岩があんまりにも切ない表情でそう言うから、私は涙が溢れた。
「わかってるつもりやのに・・・・・・わかってるんやけど・・・・・・悔しくて、悲しくて・・・・・・どうしようもない」
「お前は~、優しいからぁ!!」
中学の教室の中で、黒岩がそっと抱きしめてくれた。
すぐに離れた黒岩は、優しい目をして言った。
「俺は、そういう萌ちゃんが好きやから。だから、その純粋さとか真っ直ぐな心をなくさんとってな。人よりもしんどいと思う。簡単にあきらめられへん性格やから、苦しいと思う。でもな、そういうのって誰でも持ってるわけじゃないから大事にして」
「黒岩・・・・・・」
「その友達想いな性格も、大人に対する反発する気持ちも、どっちも萌ちゃんのええ所やねん。俺がちゃんと受け止めたるから、頑張ろう」
そっと手を差し出してくれた黒岩。
その手の上に手を乗せた。
黒岩は私の手を、もう片方の手で包み込むようにした。
「クリスマスやから、特別やぞ」
そう言って・・・・・・
ポケットから、何かを取り出した。