センセイと私の不可思議恋愛
「緑川先生のこと、あきらめることにした」
あんまりにもキラキラした瞳でそんなこと言うもんやから、私は止められへんかった。
瑠美は、緑川をあきらめることにした。
と言っても、すぐには無理やし、それは瑠美もよくわかっていて“1年計画”であきらめるらしい。
本音を言えば、あきらめて欲しくなかった。
まだまだ可能性があるように思えたし。
だけど、前を向こうとしている瑠美を応援するのも、親友としての大事な役目。
「で、瑠美、次はポンちゃんを好きになる?」
ポンちゃんってのは、新顧問のあだ名。
「萌のあほぉ~!それだけはありえへんわ」
「はははは~」
お腹を抱えて笑う。
「姫華ちゃんは、永遠に青山一筋やな」
「へへ。卒業式の後に会えるってわかったから、あきらめるなんてできひんわぁ」
とほんのり頬を赤らめた姫華ちゃん。
青山は罪な男や。
でも、青山の狙い通りなんちゃう?
絶対、姫華ちゃんの気持ちを他へ向かせたくなかったはずやもん。
「あの声、また聞きたいわ」
と瑠美が言うので、私は裏青山になりきって、姫華ちゃんを追いかけた。
「姫華ぁ~!俺の胸に飛び込めよぉ」
「いやぁぁぁ~」
逃げる姫華ちゃん。
「あははは!!」
「あ~、楽しい!」
「やっぱ、友達って最高やな!」