センセイと私の不可思議恋愛
「なぁ、萌ちゃん」
ちょっとあかんわ、これ。
毎回、めっちゃドキドキする。
「は、はい」
ガチガチに緊張してるのはバレバレで、黒岩は嬉しそうに何度も私を呼ぶ。
「萌ちゃんってば~」
「もう!うるさい!!」
「なぁ、萌ちゃん。俺と初めてのデートやんな?」
デート。
そっか。
これ、デートなんか。
んじゃ、私の人生で初めてのデート。
「これ、デートなんやな」
「なんか不満?キスでもすればデートっぽい?」
天然黒岩のことやから本気で言ってそうで怖い。
「あほか!黒岩!」
「まじで、俺のこと黒岩って呼ぶつもりなん?」
「良いって言ったやん。落ち着くからそれでええやん」
照れ過ぎて、冷たくしてしまう。
ほんまは、めっちゃ嬉しいのにさ。
「どっか行きたい場所あるか?」
行きたい場所。
いきなり言われても思い浮かばん。