センセイと私の不可思議恋愛
黒岩は、片手でハンドルを持って、かっこよく運転してる。
ガッチリ両手で運転してるうちのお父さんとは大違いや。
「どこでもええで」
できる限りかわいく答えてみたけど、全然かわいくない、私。
「俺と一緒やったらどこでもええんやろ。わかってるって」
通じてた。
ちゃんと。
私のキモチ。
不器用な私の愛を、黒岩はちゃんと受け止めてくれた。
「先生、ありがとう」
「俺の方こそありがとう」
「じゃなくて、私がありがとう」
「何?何?俺の方こそ、ありがとうやで」
と訳のわからん会話を繰り返しながら、ドライブした。