センセイと私の不可思議恋愛
「今日も行かへんの?中学」
心配そうに聞いてくれる瑠美に、小さくうなづいた。
「会いたいやろ」
「うん。でも黒岩忙しいねん」
「そっか。でも、向こうの方が萌美に会いたいと思うで」
そんな嬉しいことを言ってくれるから、少し勇気が出る。
「そうかな。じゃあ、夜電話してみよっかな」
「してみ~!絶対喜ぶから。会ってないと不安になるけど、信じてたら大丈夫やって」
友達ってほんまに大事やなって。
心から思う。
だからこそ、幸せになって欲しい。
「ほら!!ミドリムシの登場やで」
「こら!!またそんなん言うし!!」
廊下を歩く、ジャージ姿の緑川純一郎を指差して笑う。
「5限目、体育やん。そろそろ着替えに行こうや」
「ほんまや~!うちらの姫華ちゃん迎えに行こう!!」
お揃いの体操服入れを持って、隣のクラスへ向かう。