こんぺいとう【短編集】
「……ミ、ヒロ?」
「ぅえっ、」
突然呼ばれた自分の名前に、俺は間抜けな声を出して青ざめた。
布団から出てきたのは、俺のよく知っている女の顔。寝ぼけた上目使いに不覚にも胸が鳴る。
「はよー。気分、大丈夫?頭痛いでしょ、飲みすぎ」
「おま、なにして……」
「あれ、やっぱ忘れちゃってる?昨日のこと、」
俺、ヤったのか?
ふふっと笑って女は枕に顔を埋めた。柔らかい茶髪が寝癖で跳ねている。