こんぺいとう【短編集】
「……でも、俺はそんな佳奈さんが好きだから。それでいいよ」
「だから、ご飯食べに行こ?」なんて呑気な誘い文句に、私は簡単にほだされてしまう。
その後は簡単で。
ドアを開けた瞬間に見えた彼に抱き付いて仲直り。……まぁ、一方的に怒ってただけだけど。
「ごめんね」
「どうしたんですか、珍しく素直ですね」
「……っ、」
あまりにも優しく抱き返してくれるから、危うく大泣きしてメイクを崩すところだった。