こんぺいとう【短編集】





そっか、今日は星が綺麗なのか。


俯いた私には見えない。

いつから私は、星を見る余裕さえなくしてしまったんだろう。


「で、そっちは?」

「私は……なんでここにいるんだろ。わからない」

「そか」


わからない、なにもかも。


「自分が何したいのかも、どうなりたいのかも、わからないの」


どうして今、ここで生きているのかも。なんで、必死に勉強しているのかも。


「私って、なんなんだろう」


膝に置いた手をぎゅっと握りしめる。掌に爪が食い込んで、痛かった。





< 34 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop