こんぺいとう【短編集】
そっか、今日は星が綺麗なのか。
俯いた私には見えない。
いつから私は、星を見る余裕さえなくしてしまったんだろう。
「で、そっちは?」
「私は……なんでここにいるんだろ。わからない」
「そか」
わからない、なにもかも。
「自分が何したいのかも、どうなりたいのかも、わからないの」
どうして今、ここで生きているのかも。なんで、必死に勉強しているのかも。
「私って、なんなんだろう」
膝に置いた手をぎゅっと握りしめる。掌に爪が食い込んで、痛かった。