こんぺいとう【短編集】
差し出された手をかわして、興味と嫉妬で満たされた教室を出る。
「相変わらずだね、ニャンちゃん」
廊下にで待ち伏せていた優男。
思いがけない存在に、つい、足を止めそうになった。
「ひーよ、」
すぐ後ろから聞こえた声。
我に返って足を進めると、少ししてやんわり鞄を引っ張られる。
「ニャンちゃん、俺と一緒に帰ろうよ」
「ばーか」
答えたテノールは私のものじゃない。
「ひよは俺のだ」
この学校の“王子”は、なんて傲慢で俺様なんだ。