こんぺいとう【短編集】
「誰が決めたの」
「俺」
「わー、きもい」
あーぁ、始まった。
幼なじみだと言うこの2人。
顔合わせれば貶(けな)し合い、いびり合い。
ニコニコ気持ち悪い笑みを作って、なかなかの暴言を吐き捨てている。
「ニャンちゃんは俺の」
突然、鞄を強く引かれてよろけた身体が彼の腕に収(おさ)まる。
“ニャンちゃん”なんてふざけた呼び方。「猫みたいに気まぐれで気高いから」と前に言ってた気がするけど。
……誰がだよ。