こんぺいとう【短編集】
彼の名前は亜月(あつき)。愛称は“あき”。
愛称があると言うことは、こいつもなかなかの人気があるということ。
桃哉を“大人っぽい”とくくるなら、亜月は“子どもっぽい”部類になるのか。
とにかく彼らが真逆の人間であることは明らかだ。
「ひよ、」
「ニャンちゃん、」
鳥だったり、猫だったり、よく分からない呼び方をされている私は、こいつらにとってはただのオモチャ。
「ちょっと、離してくんない?」
「やーだっ」
とりあえず腕の中で暴れてみるけど、大した攻撃にらならないようで。
ふわりと薫る彼の香水に当てられて、私は仕方なく脱力した。
「あき、てめぇ」