こんぺいとう【短編集】





彼の名前は亜月(あつき)。愛称は“あき”。

愛称があると言うことは、こいつもなかなかの人気があるということ。



桃哉を“大人っぽい”とくくるなら、亜月は“子どもっぽい”部類になるのか。

とにかく彼らが真逆の人間であることは明らかだ。



「ひよ、」

「ニャンちゃん、」


鳥だったり、猫だったり、よく分からない呼び方をされている私は、こいつらにとってはただのオモチャ。


「ちょっと、離してくんない?」

「やーだっ」


とりあえず腕の中で暴れてみるけど、大した攻撃にらならないようで。

ふわりと薫る彼の香水に当てられて、私は仕方なく脱力した。


「あき、てめぇ」





< 42 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop