こんぺいとう【短編集】
「いいじゃん、幸せで。後ろめたく感じる事なんてないんだよ。むしろ、それから逃げることの方が罰当たりだ」
そう言って笑うと、珍しく彼女の方から抱きついてきたりするから調子が狂(くる)う。
顔を見られたくないらしい。いくら隠したって耳が真っ赤だから意味ないのに。
「ごめんね……ありがとう」
「うん。俺も、不安にさせてごめんね」
いつもより少しだけ温いココアを2人、肩を並べてソファに座ってゆっくり味わう。
幸せな時間は永遠に続く。
温いココアを一緒に飲めるだけで笑顔になれるのは、当たり前だけど凄く特別で。
そんな特別に気づけたことが、次の幸せに繋がるステップ。
大丈夫、俺達は。
何度だって一緒に歩いていけるはずだから。
【ここあ】
(これからの幸せを祈って)
end.