こんぺいとう【短編集】
HRまで後30分。
ここから自転車を死ぬ気で走らせて学校まで20分。
「はぁ、もういいや」
今月、もう1回遅刻したら単位を落とすと脅されているのはこいつだ。
担任なら本当にやりかねないから、私が毎日起こしに来てんのに。
「もう知らない」
留年しちゃえばいいんだ、こんな寝太郎。
「……み、う?」
立ち上がろうとした私のブレザーを握る手。
寝ぼけた声で、ふやけた目で、こっちを見上げてくる。
「ぅあー……いま、何時?」
「8時11分だよ、バカ」
「っえ、やっばいじゃん!たけじぃに怒られるっ」
「あんたのせいでね」