こんぺいとう【短編集】





一気に覚醒したらしい圭介は、ワタワタとベッドの上で慌てるばかり。

そんな暇あったら支度しろ。


「私、先に行くから」

「ちょっ、何言ってんの!美羽も一緒に行くに決まってんだろー」

「はぁ?嫌よ」

「だーめっ!どうせ遅刻なんだから、そんなに急がなくてもいいじゃん」

「開き直るな!」


やっとベッドから降りて支度を始める圭介を横目に部屋を出る。

女の子の前でさっさと服を着替え出す神経を疑った。あんたの下着に興味はない。


「先行くなよー!」


部屋の中からそんな声が聞こえて、私は大きくため息を吐いた。





< 55 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop