こんぺいとう【短編集】
将来を有望視された孤独だった先輩。あと少しで、先輩は卒業だ。
彼女も卒業。
残されるのは私だけ。
「ちあなら立派なパティシエになれるよ」
「当たり前だよ、先輩」
軽口を叩けるのも、あと何回?
「先輩は、最後の最後までバカだったね」
「……本っ当、ちあはいじわるだね」
「いまさらだ」
「直してよ」
「いやだ」
卒業までもう日がないのに。
2年半もひた隠してきた想いを、今になって打ち明けてしまったなんて。
まったく、バカだ。
もう少し我慢すれば、傷つくこともなかっただろうに。