永遠
日和は「無理しないでね」と優しく微笑んでくれた。
すごい嬉しかった。
初めて優しさを感じたと思った。
でも・・・まだ信じられないよ。
信じたいけど・・・裏切られた時の傷は・・・日和にはわかんない。
ごめんね・・・。
こんなにやさしくて可愛い子なのにあたしなんかと話してくれてありがとう。
日和は「教室行こっか」と言って立ち上がった。
あたしは「うん」と言って日和の隣を歩いた。
教室に近づくとすごくうるさかった。
女子の笑い声がすごくする。
日和が教室のドアを開けると・・・
あたしたちの席にいっぱいの女子たちが居た。
陽太はその女子の中に居た。
あたしと一回目が合って・・・
「大丈夫だったか?」
口を開いた。
でもあたしは俯くことしかできなくて・・・。
さっきから女子の視線が痛い。
下を向いててもわかる。
あたしは・・・
「あの・・・ごめん・・あたし大丈夫だから・・・移動するね・・」
あたしは・・・逃げ出した。
走って走って最近見つけた階段下に隠れた。
怖い・・。
すごい怖かった。
あの頃の恐怖がよみがえってくる・・・。
あたしは震えてる。
寒いわけじゃないのに震えてる。
それに・・・急に涙がでた。
「ふっ・・うっ・・・」
抑えきれないほど涙があふれてきた。
でも・・・・
階段を歩いてる音がしたからあたしはもっと奥に隠れて涙をこらえた。
「ねぇー転校生見た?」
「見た見たー!陽太君かっこいいー」
「だよねー!!でもあの・・・光莉って子と仲良さそうじゃない?」
あたし・・・?
「あぁだよね!でもあの子かわいいじゃん」
「うん。だからまだ許せる」
「わかる~」
そんな風に思ってくれてる子もいるんだ。
その言葉を聞いてホッとしたのか涙が止まってた。
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