傍にいたくて。





席へと移動すると隣には少し怖そうな人、
前もその横もいなかった



どうしよう…。
気まずいかも





「名前は?」





気づけばこっちを見てて、私は戸惑いながら小さな声で答えた





「佐藤……まゆみ…、」



「佐藤ね
俺、佐治祐樹」



「……は、はい」





また二人の間での沈黙

堪えられない…!
くじ運悪すぎ!!


スカートを掴むと佐治君が私をじっと見た





「もしかして…怖い?」





心配かけさせちゃった
その人にとっちゃ…傷つく話だ

そうだよ、話かけてくれたのになんてヒドイことしてるの



私は自分が思ってたよりずっと大きな声で否定していた





「ち、違います!」



「いいよ。別に
慣れてるしさ
怖いでしょ?俺の顔」





何処か遠くを見るこの人の顔は何処か切な気で


私は心が痛んだ





「ごめんなさい…
でも、凄くいい人だって、わかったので」





上手く言葉が続かない
佐治さんはフッと笑ってくれた





「いいよ
大丈夫。
お前のいいたいことはわかったから」





ありがとな。そう言うと優しく笑ってくれた

ドキッ。何、これ
心臓が凄い勢いで脈を打つ。





まだ、
恋とは呼ぶのは早い鼓動だった




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