傍にいたくて。





「佐治君っ!」





机につくたび、彼の名前を呼んだ


佐治君は頭にハテナを乗せたような顔をした





「どうした?」



「あのね、あのね!
友達が出来た!」





まるで子供みたいに言う私に佐治君は優しく笑ってくれた





「やったな!
おめでとう!!」



「佐治君のおかげだよ!
ありがとう!」





おかげとかありがとうとか思ってなかったのに素直に出てきた言葉に自分が驚いた

佐治君もビックリしてたみたいだけど、今度は何かをひらめいたように笑った





「じゃ、後でなんか奢れよ
何にするか考えとくから。


「………意地悪」



「今気づいたのかよ
俺は根っからのドSだから」





妖しく笑う佐治君に私は思わず笑ってしまった





「嘘だよ
おごる!」



「じゃあとびっきり高いもんにしねぇと」



「う、嘘!
お小遣が…!」





そう言うと佐治君はゲラゲラ笑った


不安だらけの高校生活も楽しくやっていけそうだよ




でも、
今が楽し過ぎてこれから先の出来事は誰も想像してはいなかったと思う。








Next。
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