SugarⅡ
ガヤガヤと賑やかな廊下。今日は1年に一度の文化祭だ。
「キャー!!!」
そして今、3年生の出し物のお化け屋敷の前に、彼氏と立っている。
数分前、涼が「お化け屋敷入ろうぜ」と言ったことがきっかけで、ここにいる。
「やっぱり怖いんだね…」
さっき悲鳴を上げながら出てきたのは、さっきお化け屋敷に入っていった先輩たちだった。
「予想外…」
そう、予想外。
たかが文化祭で、こんなにリアルなお化け屋敷作っちゃいかんよ!!←
「ま、文化祭だし、そんなにビビってねぇけどな?」
涼はそう言いつつも、あたしの手をギュッと握って離さない。
「………あっそ」
怖い映画も、画像も、話を聞くことさえ苦手なやつが何言ってんだか……
「2名様お入りでーす…」
入り口にいた血だらけの女の人が、内部に向かってそう叫んだ。
あたしたちの番だ…