SugarⅡ
――――――パサッ…
靴を入れようと、開いた靴箱から1枚の紙切れが出てきた。
ラブレターなんて、甘いものならまだしも、内容なら大体予想がついてる。
『有明と別れろ!!』
最近は毎日のようにこの紙切れがあたしの靴箱に入っている。
有明というのは、最近出来たあたしの彼氏で、なかなかのイケメン。
だからだろう。
付き合い始めてすぐに、地味な嫌がらせが始まった。
「姫仲、どーした?」
あたしが動かないことを心配した有明が、近寄ってくる。
「…何でもない、早く行こ。チャイム鳴っちゃうよ。」
持っていた紙を、とっさに握り締めた。
グチャグチャになった紙を、そっとカバンの中に入れて、先を歩く有明を小走りで追いかけた。