SugarⅡ


「美海っ…!?」



反射的に封筒から出した指先には、血がベットリついていて、切り傷がいくつもあった。



「貸して…!」



手に持っていた封筒を、奈々が奪って机の上にひっくり返した。



カシャンカシャン、と音がして、中からは血のついたカッターナイフの刃がいくつか。


それとともに、紙も出てきた。



『調子乗んな! お前と有明じゃ釣り合ってねぇんだよ!!』



まただ。

でもちょっと……度が過ぎてるんじゃないだろうか。


カッターナイフなんて、嫌がらせのレベルじゃない。



「美海っ」


「大丈夫…だから、保健室行ってくるね……」



ヒリヒリ痛む指先を押さえて、席を立った。



「あたしも行こうか…?」



「大丈夫だよ、先生に言っててくれない?」
< 42 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop