SugarⅡ
無理に聞こうとしないから、この先生は好きだ。
「はい、出来た。一応ガーゼしといたけど、血が出るようならまたいらっしゃい。」
「はーい。」
少し大袈裟にガーゼが巻いてある指を見ると、悲しくなってきた。
廊下に出ると、人は全くいない。
授業始まっちゃったんだな…
保健室のチャイムは、寝ている人が煩くないようにスイッチを切っている、と先生が言っていた。
だから授業始まりのチャイムが聞こえなかったんだな。
なーんて呑気に考えていると、前から女子のグループが歩いてきた。
見たことがない顔だったから、きっと先輩達だ。
それにしても…派手なグループだなー……
授業ぐらい出ろよ、なんて思いながら横を通り過ぎた瞬間
「調子に乗んな」
「指怪我してるしー(笑)」
何人かの笑い声と、脅すような低い声。