SugarⅡ
「ちょっと来いよ。」
あたしに近づいてきたのは、息を切らした有明で
「え、なん……」
あたしが驚いたのは、そこじゃなくて、何故か有明が怒っているということ。
反論する間もなく、手を引かれて走り出した。
「有明っ、どこ行くの!」
そう聞いても有明からの返事はなくて、不安になった。
もしかしてバレた…?
だから怒ってるのかな…?
だんだん息が切れてきて、限界だ、と思い始めていたときに、有明は空き教室のドアを開けた。
授業をする教室からは離れていて、サボるにはちょうどいい場所だと言われている。
「はぁ……っ……有明…っ?」
息を整えながら有明を見ると、やっぱり怒っているのが分かった。