SugarⅡ
「保健室寄って帰るか?」
「いい。」
そう言うと、晴は走ってどこかに行ってしまった。
「何だあいつ。」
大して気にもせず、歩いて靴箱に向かっている途中、鞄がないことに気が付いた。
「うわっ…最悪…」
ついでに持っておりとけば良かったな。
そう思いつつも、仕方なく方向を変えて教室へ戻ることにした。
階段を登ろうとしていたとき、ちょうど晴が降りてきたところだった。
「涼、カバン。」
手には俺のカバンも持っていた。
「あ、おう。サンキュー。」
怪我している手とは逆の方にカバンを持って、再び靴箱の方向へ向かった。