SugarⅡ
「おう、結構前から。」
俺がそう言えば、相葉は「ふーん」と、興味無さそうに呟いた。
「あ、晴。」
相葉が指さした先を見れば、晴が慌てた様子で走って来ていた。
「ごめん、奈々っ」
「大丈夫、ちょっとしか待ってないから。」
この2人付き合ってんのか?
じゃあ………
「俺ら帰るわ。じゃあな。」
出来れば俺は姫仲と2人で帰りたい。
右手の傷を見たら、きっと心配するだろうから、今日は逆の手を繋いだ。
「最近ね、いつも靴箱に入ってた紙が入ってないのっ」
嬉しそうに笑う姫仲が愛おしい。
靴箱に紙が入っていないのは、俺が晴に、姫仲よりも先に靴箱から出しておいてくれ、と頼んだから。