SugarⅡ
――――キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴り響く中、クラスの違う奈々を迎えに行く。
放課後の廊下は騒がしくて、通るのがやっとだった。
「あ、美海ばいばーい」
「ばいばいっ」
何人かの友達からの挨拶に軽く返事をして、奈々の教室の前まで来た。
毎日の事ながら、人の多い廊下を歩くのは好きじゃない。
人にぶつかるし、なかなか前に進めないし…
「奈々ー…」
教室をぐるりと見渡してみた。
奈々の姿はない。
いつもは教室で待っててくれるのに、どこを見てもいない。
「先に帰ったのかな…」
そうポツリと呟くと
「誰探してんの?」
そう聞かれた。