SugarⅡ
走り出そうと決意して、頭に手をかざして外に飛び出る。
「寒っ!」
やっぱり思っていた通り、寒い。
吐き出した息は白く、少し息をするだけでのどが痛くなる。
マフラーも、手袋も、だんだんと濡れていくのが分かる。
とりあえず、どこかで雨宿りしたい。
そう思い、少し先のほうにあった屋根のあるバス停へ向うと、誰かいた。
うちの学校の制服じゃない。
でも、何だか見覚えがあった。
「美海?」
見慣れた制服。落ち着く声のトーン。
「涼!」
あたしが一週間、会いたくて仕方なかった人だ。
「何やってんだよっ、雨降ってんだから迎えに行ったのに」
「涼も濡れてんじゃん。傘、持ってないんでしょ?」
きっと、あたしを迎えに来てくれてる途中だったんだろう。
服もカバンもビチョビチョだった。