SugarⅡ
「まぁ……、傘は持ってないけど」
バス停にあったイスに座って、あたしにも座るように言った。
「あたしタオル持ってるから、貸してあげる。」
少し濡れたカバンをゴソゴソと探ってみれば
「ん…?」
あるはずのない、オレンジ色の物体。
取り出してみれば、涼は驚いた顔でこっちを見ている。
「お前傘持ってんじゃん…」
あたしカバンに傘入れたんだっけ?
いやいや、入れた覚えはない。
だとすれば……、この前の雨のときから入れっぱなしだったか…
「まぁいいけど、もうちょっとゆっくりしていこうぜ」
「うん」
バス停の屋根に雨が当たって、パラパラと音が聞こえる。
二人でその音を聞きながら、ゆっくりしていた。その空気が好きだったりする。
「帰りは相合い傘で帰ろうぜ」
「…うんっ」
パラパラと聞こえる雨の音
好きだったりする
こんな風にのんびりしてるのも
たまには悪くない
次の日、二人とも高熱で寝込んでしまったとさ。
-END-