悪魔的ドクター

━━━━━━━…



その後…
洋服は着替えさせる訳にもいかず体に布団を掛け、応急処置を施した。



なんとか咲桜ちゃんの容態は安定し、俺は少し安心する。



酸素マスクも安定剤も
すべて用意してあって良かった。


しかし
病院でしっかり治療しないとな…




それと問題はもう1つ…。
今彼女に起きてる事だ。



混乱状態だった俺は
洋服や手首の赤みがある事を
見落としていた。

冷静になり改めて見ると
これは誰かが強制的に付けた痕だと思う。



その『誰か』に襲われて
ここに逃げ込んできた…のか?



もしそれが正解なら
どうしてそんな状況になった?





くそ…
俺がついていながら
何もしてやれなかった



「咲桜ちゃん…ごめん」



汗ばむ彼女の前髪を
そっと指で横に流しながら
小さく謝った。



なぁ、咲桜ちゃん…


何を抱えてるんだ?

どうして隠す?


こんなになるまで…
そんなに俺に言えない事か?


このままだと
本当に死ぬぞ。

喘息発作も何度も起こしているし窒息死だって考えられる。


体の為にも
頼むから
話してくれ…



お前を失うのは…イヤなんだ





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