悪魔的ドクター
マンションに帰り
リビングでテレビを見ながら
やっぱり気になるあの女性。





たぶん
ただの患者さん。


そんな当たり前な事
わかっているはずなのに
なんかちょっと…イヤ。


今まで全然思わなかったのにな…




  ♪〜━…




テーブルに置いてあった携帯電話が着信を知らせた。



相手は
速水先生…。




ドキッとする。

今まで先生の事を考えてた
このタイミングで
先生から電話なんだもん。



恐る恐る携帯を開き
通話ボタンを押した。



「…もし、もし」


『あ、咲桜ちゃん?急に悪いな。今からたぶん、子供連れの女がそっちに行くかもしれない』


「えッ…」



それって…さっきの?



『俺もすぐ帰るから、適当に扱っといて』



そう言って
先生は急いでたらしく
一方的に電話を切ってしまった。



…で?

来るのッ!?


元妻だか
愛人だか
不倫相手だかわからん人と
ここで会えと!?


適当に扱うって
どうしろと!?



先生が来る前に女性が来るのは
やめてほしいんだけど…




━━━━ピンポーン…



悪いタイミングで
マンションのチャイムが鳴った。






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