悪魔的ドクター
-翔灯-
――……速水side *。+†*
俺が向かった先は…
"ある家族"が住む家。
━━━━ピンポーン……
『はい』
インターホンから聞こえてきた
年配女性の声。
「こんにちは…速水です」
『え…』
俺の名前を聞いた瞬間
相手の驚いた声が
インターホンを通じて耳に入る。
しばらくすると
静かに扉が開き
先ほどの声の女性が現れた。
『速水…翔灯さん…?』
その女性は
扉から少し顔を出し
俺の姿を確認する。
なぜかその女性の行動は
怯えた様に感じられた。
「お久しぶりです」
女性に一礼すると
彼女は外に出てきて
『…どうぞ』と言って
中へと通してくれた。
この家は
柚花の実家。
そしてこの女性は
柚花の母親だ。
***
「驚いたわ。2年くらい会ってなかったんじゃないかしら…」
「ご無沙汰しておりました」
客室へと通され
お茶を頂く。
「ごめんなさいね。せっかく来てくださったのに、柚花…いないのよ」
「はい。彼女は今、俺の所に来ていますから」
「え…?」
どうやら
知らなかった様だ。