悪魔的ドクター

-咲桜-



夜11時をまわった頃…


あたしはと言うと
静まり返る部屋の中で
ただ独り
今だ書き終わらないレポートに
頭を悩ませていた。


期限が近いというのに
終わる気配がないこの現実。

時間ばかりが過ぎていき
気付くとすでに日付を跨いでしまった。

シャワーを済ませ顔もスッピンでいつでも寝れる状態。

机にはブラックコーヒー2本。
子供みたいだけど
これで眠気防止。

ただの気休めだけどね。




こんな時間のせいか
それとも寝てないせいなのか
レポートは全然進んでないし
それに加えて体は不調。


胸の圧迫感。
それに伴ってか息がしにくい。


昔から気管支は弱かったけど
風邪ひいた時に咳が出たものの
こんな感覚はなかった。


これが喘息の発作とかっていうものなのか…。



「寝よ…」



不安になったあたしは
途中のレポートを片付けて
ベッドに横になった。


だけど



「コホッ、ケホッ」



横になると咳が出始め
胸の圧迫は強まり息が苦しい。

念の為に吸入器は近くに置いてはあるけど…
眠れるのかな。



そんな時
視界に入った携帯電話で
速水先生の顔が頭に浮かんだ…







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