悪魔的ドクター
「咳は?出てる?」
『横になると出るから…起きてます』
咳も出てるのか。
どうするか…。
これ以上酷くならずにちゃんと眠れるならいいけど…
朝までにもっと酷くなったらマズイしな…
「迎え行くから、ちょっと待ってろ」
『えッ…迎えって…』
近くにいるんだし
俺が直接、発作の様子を確認すればいい。
あまり酷くなるようだったら
そのまま病院に連れて行く。
俺はそう判断した。
『先生…病院からここまで、距離ありますよ?』
俺が今
彼女の家の近くまで来てる事は知らない。
「10分で行く」
携帯電話を耳と肩で挟んで話をしながら、財布からまた住所が書いてあるメモを取り出した。
通話を終了し
カーナビに番地を入力し
準備完了。
冷静なつもりだったけど
内心すごく焦ってるらしく
アクセルを踏む力が強くなる。
1秒でも早く
彼女のもとに行きたかった。
独りに…したくなかったんだ。
――……速水side END *。+†*