悪魔的ドクター
そりゃそうだよね。
やっぱ素直に言わないとか…。
「実は…お世話になりに来たんです…」
緊張しながら小さく頭を下げた。
口から心臓が飛び出すんじゃないかってくらいドキドキし過ぎて
先生の顔も見れない。
言葉が見つからなくて
『お世話になりに来ました』
って…。
だがしかし
あたしは1人緊張しているも
先生は全く動じず…
「中、入りな」
そう言ってマンション入り口の扉を開け、先に通してくれた。
戸惑いながらも言われるまま
中に入る。
さすが金持ち。
中はまるでホテルだ。
入ってすぐ目につく長い廊下。
その通路は通らず
入り口すぐ右横のエレベーターに乗り込む。
ここは何階建てのマンション?
先生は20を押したから…
最低でも20階はあるって事か。
すごいのかはわからないけど
あたしは初めて見たせいか
驚いてばかり。
そして今
この密室2人きりの状況に
またも心臓はバクバク。
沈黙の中
最初に話を始めるのは
やっぱり先生で…
「来ないと思った」
いきなり
まさかの弱気。
「だって、強制だったから…」
「それもそうだな」