悪魔的ドクター
そうですよ。
だいたい
あんな強制的な医者
他にいないよ。
「でも本当に来ないかと思った」
先生はまた
同じ事を繰り返した。
何度も言われると
来ちゃいけないって言われてる気がする。
「すみません。…来ない方が良かったんですね」
あたしは少しムッとしながら
言い返した。
よくよく考えてみれば
先生が言った事は
冗談だったのかもしれない。
もしかしたら
本気にする奴なんて
あたしくらい?
そう思ったら
急に後悔。
「そうじゃねぇよ。ただ、俺があんな言い方したから、怒って来ないかもしれないって思ったんだ」
先生の少し焦りながらの弁解を
あたしは半信半疑で聞いていた。
「条件で釣ったみたいで…」
「え、待って?あたしは条件に釣られた訳じゃないよ!?」
「え、違うのか?」
はッ!?
やっぱり先生
あたしを軽い奴だって思ってる
「あたしやっぱり帰ります!!降ろしてくださいッ」
腹が立ち
エレベーターの『開』ボタンを押そうと、腕を伸ばした。
だがその腕を先生が掴み
意図も簡単に止められてしまう。