悪魔的ドクター

中はとにかく

広い。



いや、想像はしていたが…
だだっ広い部屋が4つもある。


リビングに通されるが
とにかくシンプル。
テーブルとソファー
テレビ以外の余計な物は何も置いてない。

車とは違い
室内はすべてにおいて、白。
カーテンだけ淡い水色だけど。


先生は基本モノクロなんだ…。



「荷物は?」


「えッ…」



聞かれてハッとした。
よく考えてみたら
荷物も持たずに来たらしい。

財布と携帯電話と家の鍵…だけ
って本当まさに
『散歩とコンビニ巡り』に出掛けたみたい。



「荷物持ってきてないのか?家出娘かよ」



おっしゃる通りです。


先生の呆れた声に
あたしは恥ずかしくなり俯いた。



「まったく…。じゃあ荷物は明日取りに行くとして、部屋に案内するから来い」



言われるまま
またついて行く。

そして到着した1部屋。
そこには
ベッドとテーブルだけ。



「こんな部屋で悪いな。ベッドは誰も使ってないから、安心して使って」


「…はい」





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