とある烏の物語
『ああ、彼女は綺麗だと言ってくれたのに…。』

からすは悲しみました。

彼女が好きなこの青い体に初めて嫌悪を感じたのです。

『やはりいつでもどこでも私は嫌われてしまうのか。』

からすは悲しくて涙を一筋流しました。

いつだったか人間達が言っていた言葉を思いだしました。

〈人も含め、全ての動物は本能で異なる物を排除しようとするらしい。〉

その言葉が本当ならばからすは受け入れられないでしょう。

せめてあの楽しそうなところから離れようと、ゆっくりと翼を広げ羽ばたいていきました。
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