ぷち遠距離?

今日も同じ電車に乗って学校に向かう。
窓から見えるこの川を越えると、私の高校のある玉佐市。

私の住む川見町から玉佐市までは電車で約20分。

そんな距離を毎日通っている。
クラスには登校に1時間以上かかる子もいるのでそんなに遠くはない。

川見町の田んぼの景色が段々消えて、
都会のビルの間を通り抜けるようになった。


最寄り駅について、私は学校へ歩く。

と、私を追い越す自転車。
その後ろ姿に私ははっとする。

ギターを背負ったその姿は、同じクラスで同じ部活の宮田夏来。

髪はちょっと長めで、顔は綺麗で。
甘党でギターが上手くて。
課題を提出しないくせに頭はいい。

…そして言ってしまえば、私の思い人。


彼は玉佐市民でチャリ通。

だから、「おはよう」って声を掛けようと思っても、
すぐに通り過ぎてしまうわけで。

(今日も声かけられなかった…)

そんな後悔に苛まれるのだった。

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