そう、これが愛

溺れて鳴いて



「14番でお待ちのお客様ぁ!!」

「はーい、私です!!」


元気がいい学食のおばさんの声に返事をするとせかせかと私の前に注文したものを置いた、私は尽かさずスプーンを持ちそれを口に掻き込む。





「んで、なんでお前が俺の昼飯食べてんだよ!!!!!」


「ふぉ!!あらふぃくふ、いははいてふふおー!!あふっえふっ〈あっ!!新井君、いただいてるよー!!あっちあっち〉」


「ほらみろ、急いで食べるからだ水飲め水!!!じゃねえええええ!!それ!!俺のオムライス!!なに、人の物美味しそうに食べてんだよ!!」

20歳にしてオムライスが大好きだというこの見た目ちょっとイケメンのお子ちゃまは新井 健斗〈アライ ケント〉私の小学生時代からのご近所さんであって幼馴染みなのだが、やっぱりこの大学は終わっているのかコイツは男しか愛せないという特技の持ち主だ、イケてるメンズを視界に入れれば最後、そのモデル顔負けの美貌とスタイルを武器にハンティングに繰り出す。初めて新井のハンティングを目撃した高校一年夏の日の私は余りの刺激に胃からせりあがってくる何かに翻弄し思わず新井を自転車でハンティングしてしまったほどだ、そんな新井ももう20歳、ホモサピエンスの頂点を窮め素敵な男に成長している、どうやら一目見ればその獲物がそっちの気の才能の持ち主かわかるらしいから気色悪い。

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