そう、これが愛
「ああーもうお前のマジ痛いし」
「当たり前よ、鼻へし折る気持ちを大切に突き出したんだから、ってかマジ余計な事しやがって毎日お前のオムライス奪いに来てやるからな」
「なんだよその地味にめんどくさい嫌がらせ俺は毎日そのオムライスを持って逃げる。と言うよりお前はどうなんだよアイツの事」
ああ、1番聞かれたくなかった質問、まあ、部長に聞かれなかっただけまだマシだけど。実際、部長の事をどう思うかと言われるとなかなか微妙なのだ、基本的に全てが変だとは思うけどほって置けないムカつくけど。私がおぉーうと肩肘付き悩んでいるのを見て新井の端整なお顔が歪む。
「・・・・何、もしかしてお前もアイツの事好きなの?」
「それはない」
「返答早ッ!!まあでも、お前がアイツをどう思おうとアイツはお前を好きだって言ってんだ、ちゃんと考えてやれよ俺は応援しねーけど。アイツにとったら初めての恋愛なんだからよ」
「お前に恋愛だけは語らせねぇ」
「何なんだよお前!!俺の事嫌いなの!?」
「今更ッ、自転車で撥ねられたその日に気づけよ」
「・・・・・・・、俺にしたらお前が嫌な思いしなきゃいいだけだ、何かあればまた相談しに来いよ、いつでも聞いてやるから」
そうか、撥ねられた時から嫌いだったのか!?との沈黙の後、少し猫っ毛の焦げ茶色の髪を揺らしにっこり笑う新井に嫌な気はしなかった。なんだかんだ小さな時から私を気遣ってくれる新井に私も笑って頷く。
「今度、オムライス奢るね」
「おう」
椅子から立ち上がりにやりと色っぽく笑う新井をよく見ると眉上が少し青い、そのため色っぽく笑う新井がマヌケに見えてぷぷぷと笑ってしまった。
「あらら新井君、彼女(※男性)と喧嘩?さすが男同士の喧嘩は凄まじいねぇ」
「お前が、この間『ああ、もう!!』とか言ってうどんの器飛ばしたんだろーが!!俺に当たったんだよ!!」
「クリティカルヒット!!!!!」
「謝れよ!!!」